霊務・ザ・ファイナル(霊務4)
しかも、あの形は眠り猫の超瞬間移動のポーズ。
そのスピードからは、何人も逃れられない。
「くらえニャ!!」
シュン!
0.1秒後に眠り猫が居たその場所は、煙のみが輪を描いて漂い残っていた。
音だけが、耳に残る。
ダ! ダ! ダ! ダ!
それは地面を真後ろに蹴り上げる、忍者も真っ青なくらいの俊足の足音である。
その勢いで爪を出し、相手の喉元目掛けて飛びかかるると……
スカッ……!
先程まで目の前に居た黄鬼が、姿を消したのだ。
いや、消したと言うより、体がすり抜けたと言った方が正しい。
振り向くと、その姿はまだあったからだ。
「どう言う事ニャ? 秘奥・つむじ切り!」
眠り猫は螺旋を描くように敵を中心にグルグルと周り、攻撃が当たらないように爪で引っ掻く動作のみをする。
すると、それはやがて旋風となり、中心に位置する黄鬼に一斉に斬撃のカマイタチが襲った!
しかし……
スカッ……
八方塞がりのこの技でさえ、それは当たり感触を見出せなかった