霊務・ザ・ファイナル(霊務4)
「ええ~~~~~!!? アタシまだ学生よ!? はらんだ事ないわよ?」
「普通に妊娠と言えんのかお前は。違うよ礼子君。生まれ変わる前の君が作った子供だ。まあ、覚えてないだろうが……」
本人は里子に関しては、全く覚えがないようだ。
「んじゃあ、益々問題ないじゃないのさっ。この横ハゲ」
「横ハゲ!? 脈絡もない悪口は止めろ!
話を戻すが、それが君なら問題ありだよ! 女王謁見には礼儀正しく頭を下げなきゃいけないが、君の性格の事だ。そんなのはしないだろ?」
確かに礼子の性格なら、頭を下げるのは拒否しそうだ。
「だから、娘を立てるつもりで、言う事を聞いてくれ! 里子君の失礼のないようにだけ頼むよ!」
この女王謁見には、担当者であるオッサンは付いて行く事が出来ない。
そうなると、監視する事ができないので、心配するのは当たり前の事であった。
礼子は「アイアイサー!」と、綺麗な返事をしたが、不安で仕方がない。
さて、一応釘も刺した事なので使者霊に引き渡すかと、オッサンは礼子を連れて戻った。
「つまらんものですが」
オッサンは、礼子を粗品のようにあげた。
「もう~!」とプンプンしながら、礼子は使者霊に連れて行かれ、姿を消して行った……