霊務・ザ・ファイナル(霊務4)
「眠り猫君! それは幻覚の炎だ! ヤツは幻術を操るスペシャリスト! 炎も本体も幻覚を見せて、本当にあるように見せてるだけだ!」
「ニャに!?」
その言葉を信じ、試しに炎を受けてみると、言った通りすり抜けるではないか。
狐火はまやかしの炎。
実在はしていないのだ。
「チッ! 頭がキレるヤツが居るみたいね……でも分かったところで私の本体は掴めないでしょ。永遠にさまようがいいわキャハハ!」
能力が見抜かれた途端に戦法を変え、今度は辺りに百人の彼女の幻影が現れた。
これが、黄鬼の能力の真骨頂だ。
「この化け狐。何て事はニャい。ようは、この中の一体が本物ニャろ?」
「フン、強がりを……それに、狸眠りの化け狸に言われたくないわ。さあ、100分の1がアナタに解けて?」
そう言いながら、百人が同じ様に攻撃の初動動作を見せる。
これでは、どれから攻撃が来るか分かったもんじゃない