霊務・ザ・ファイナル(霊務4)
親しみを感じ、オッサンは不用意に近付いた。
「いや~黄鬼の幻術から逃れたのですな? 本当にサキさんが……」
シュ!
サキは何かを飛ばし、その歩み寄る足を止めた。
ツー……
オッサンの首から、血が薄く流れ出る。
サキは尖った氷の結晶を飛ばし、切り口をパックリ開かせたのだ。
「浅かったみたいだねえ……もう少し近付いていたら、首と胴体がサヨナラしていたのに」
目が冷たい。
本気で殺意を向けられていることに気付いた。
「……そんな……何故? 洗脳は? いや、偽物か?」
オッサンはよろけながら後ずさると、サキは同じ事を言うそれに対し怒りを覚え、荒い口調で言い飛ばした。
「何度言ったら分かるんだい? アタイは洗脳もされてないし、本物だ。三鬼神として、今回ばかりは味方じゃないんだよ!」
≪≪敵≫≫
頭の中に再認識される、衝撃の認めたくない一文字。
呆然と、悲しい目でサキを見つめた