霊務・ザ・ファイナル(霊務4)
「サキ……」
急所は外して撃ったハズの礼子。
言うなれば、近所で野球してた時に、誤って玉が柵を越えて窓ガラス割った時の様な気分だ。
あーあ、やっちゃった。みたいな
そうは済まされない程の、無惨な景色ではあるが……
礼子はフラフラしながらオッサンに近付いた。
「やっべ……アタシ、知ーらないっと」
正義の為とは言え、これは何も言えない状況。
ツッコむ事も、怒る事も、喜ぶ事も出来ない。
どうしょうもない、変な間がある時間だ……
ん……?
すると、礼子のお腹から、何か尖っているものが出てる事に気付くオッサン。
それは、何かいやに反射して輝いている。
「礼子君。それは何……」
見上げて顔を見ると、礼子は無表情のまま口から血を流していた。
「……え?」
本人も気付かず、その場に胸を抑えながらスローモーションのように滑らかに倒れてしまった……