霊務・ザ・ファイナル(霊務4)
「う……? ケホッ……ん……?」
血を大量に流した事により、うまく体を動かす事の出来ない礼子は、地面で現状を把握出来ないようでモゾモゾと動いている。
「この勝負……アタイの勝ちだよ……」
礼子VSサキ……
その勝利を収めたのは、なんとサキの方であった。
そんなハズはないと、礼子に対して絶対的な自信があったオッサンは、未だ信じられないと呆然としたままだ。
サキはここまで瀕死の状態に追い込むものの、トドメを刺さずにしばらく見下ろしている。
あの神クラスの力を持つ者に勝ったので、優越感でも感じているのだろうか?
そうしてると、森の奥から笑い声が聞こえてきた。
「フッフッフッフ……」
サキは何かと思い、顔を上げてそれを確認する。
その姿を見て、呆れたように一言漏らした。
「赤鬼か……無粋だねぇ。何しに来た?」
そこには三鬼神・赤鬼の姿があり、この状況を見て楽しそうにしている。
礼子もやられた途端に敵の増援。
最悪だ……
事態はますます悪化する