霊務・ザ・ファイナル(霊務4)
第9死-赤鬼
「トドメは刺さんのか? 何なら俺がやってやろうか? 昔の仲間を手に掛けるのも嫌であろう」
残虐性の高い男だ。
それを行うが為に出てきたのだろうか?
サキは断るでも何するわけもなく、その場から森へ歩き出す。
「ずっと見ていたわけか、物好きなヤツだね……アタイは主のとこへ戻る。後は任せたよ」
赤鬼にバトンタッチしたサキは、そのまま黒ガラスの下へ行ってしまった。
昔からそうだが、忠誠心はかなり高いのは変わっていない。
オッサンは待ってくれと言わんばかりだが、敵に頼み込んでも駄目だ。
ここまでされれば、もうサキは戻らない事が分かった。
残った赤鬼。
これをどうするか、自分達で解決しなければいけない。
「さて……ククク、久々になぶり殺しさせてもらうかな。俺は“血”を好む赤鬼……楽には死なせんぞ」
ジリジリと近付いてくる。
眠り猫は起きず、礼子も倒れたまま。
オッサンしか残されていない