霊務・ザ・ファイナル(霊務4)
「さて……少し早いが、そろそろトドメといこうか。他の二匹も痛めつけなければ、いけないからな」
赤鬼は距離を取り、助走をつけて走り始めた。
その勢いで、打撃力を更に上げるつもりだ。
もはや駄目かと覚悟を決める。
次生まれ変わるなら、リストラされない会社に就きたいなと思いつつ、最後のお祈りをした。
「死ねぇ!!!」
迫る赤鬼。
それに反応するかのように、オッサンの体が光り輝いた。
ピカー!!!!!
突然何だ! 何だ!?
赤鬼もワケが分からず、腕で体をガードしながら光に包まれていった。
この目も開けられない程の眩しい光景。
どこかで体験した事がある。
「う、う……?」
オッサンはそんな中でも何とか目を開けると、光の中で優しい笑みが浮かび上がった。
あれは……
「里子君!?」
うっすらと光は、その呼んだ名前の人の形を示していた