霊務・ザ・ファイナル(霊務4)
それが急にパッと消えると、先程までと同じ暗い広場に変わる。
流れる作業のように、すぐさまオッサンの肩から小さな炎がポッと出て、耳元まで浮遊した。
そこから、聞き慣れた男の声が聞こえてくる。
『里子ちゃんの担当者さんへ。今ビックリしてるだろうけど、その光は里子ちゃんからもらったものだよ。これから四獣霊は女王報告に戻らなきゃいけないから、代わりにもらったコレをアナタに託す。これはもしもの時があった場合に一回だけ発動するから、役立たせてくれ。火鳥より』
それを聞き終わると、耳元にあった炎はフッと消えてしまった。
これは、火鳥が炎で作ったメッセージ。
彼等と別れる際、御守りとして残してくれたようだ。
そう言えば、オッサンは火鳥に肩を叩かれたのを覚えている。
察するに、あの時この力を譲り渡したのだろう。
里子の光の能力……
それは悪しき魂を持つ霊が、浄化してしまう唯一無二の正義の能力だ。
それを喰らった赤鬼は……?
オッサンは確かめるべく、辺りを見回した