霊務・ザ・ファイナル(霊務4)
どんなに注意しても直らないこの子に、何を言っても無駄である。
もうそれは、昔からの付き合いで分かっている事だが……
「全然性格まんまじゃないか! 100%そのまんまだよ!」
「何よ、人を果汁100%みたいに呼んで~! アタシはそんなに酸っぱくないからねっ!」
ほらね。こんな噛み合わないとことか……
「あ! あんな所に自販機で飲み物買ってる人発見! 先にコーラ押しちゃえ。何押してもコーラ」
そんな自由気ままの礼子を見て、ドッと疲れが出た。
「はあ~……
ほらもう止めたまえ。その人間それで500円目だよ? 可哀想な事しないの」
泣きながら帰る人間を後ろに、礼子はキョトンとしている。
どうやら悪いことをした自覚が、1ミクロもないらしい