霊務・ザ・ファイナル(霊務4)
あれから数時間……
オッサンは礼子の帰りを待っていた。
下手に追いかけても見失うだけ。
どうせ腹減らしたらその内帰ってくると、長年付き添ったペットの飼い主感覚で待ち構えていた。
「……ほーら来たよ」
オッサンがブツりと呟くと、礼子が颯爽と帰って来るのが見えた。
「おーいオッサン~! 今帰ったよ~! あ~腹減った」
想像していたのと同じ事を言った。
霊は腹減らないのに。
「全く……君は……ん……?!ああ!!」
よく礼子を見ると、階級が10になっているのが分かった。
まさか……このタイミングでいきなり!?
「どこで何してきた!?」
それを問い詰めると、礼子はかわいく軽く笑う。
「えへへ~~ちょこっとね♪」
いやいや、ちょこっとで階級がいきなり最高まで上がる事はないから。
「どーゆー仕組みだ? 何か偽造してないか?」
オッサン達、指導霊に当たる者たちは少し特殊な霊で、他の者を見ると階級がいくつか数字が浮かんで見える目を持っている。
それをごまかしたか何かしたか探るが、いっこうにトリックが分からない。
「だから~本当に階級10になったんだって。前にオッサンの専用の目薬を清めの塩水に替えた事あるけど、今見えてる数字は本物よ?」
オイ、コラ、テメエ
そんな事したことあるんかい