霊務・ザ・ファイナル(霊務4)
と言うか、記憶ないのに昔の話をした……?
「礼子君、記憶が……?」
「ああ……うん。もうほとんど戻ったよ。種明かしすると昔蓄えて隠しといた恐怖エネルギーを、今吸収してきただけだよ。その時に記憶もだいぶ戻ったみたい」
え……
ってか恐怖エネルギーって蓄えられるの……?
そんなエネルギー持ち出し方法、オッサンどころか他の霊も知らない。
改めて、コイツはやる事が凄いと感じる。
「苦もせず階級10になるとは……」
「そんな~今更またコツコツと階級を増やしてもつまんないでしょ? やるならドーンとパワーアップ」
いや、つまらないとかの問題じゃないし……
「……ひとまず、そこまで階級上がれば担当地区も持たせるワケにはいかないし、君の自由で好きな事しなぁ」
彼女の好きな言葉『自由』
好き勝手にさせれば喜ぶと思ったが、今度はシブり始めた。
「え~~担当地区で脅かしまくれないの~? ヤダヤダヤダ~」
あー言えばこー言う。
コイツを満足させる言葉は、この世にあるのだろうか?
「そんなにシブらなくてもいいじゃないか。たまには素直に従え」
「ここで働かせてください!!」
急に大声を出す礼子。
オッサンは何かと思った。
「な、なんだよいきなり……」
「え? だってそんなシブらなくてって」
「それジブリね」