霊務・ザ・ファイナル(霊務4)

「バカな……こんな事で……こんなくだらぬ事で我が野望が……」










納得が出来ない。







何百年もの怨みが、バナナの皮一つで破られてしまうなど。











こんな結末は、夢にさえも描かれないメチャクチャなストーリー。











ジブリでもディズニーでも、こんなラストにはならないだろう。











そう黒ガラスは頭で認めないものの、体の方は正直だった。










消滅の為、霊体が消えかけている。










「嫌だ! 怖い! このまま消滅するのは嫌だ!!」











通常に殺されれば霊は強制的に生き返り、また人間としての人生を歩めるが黒ガラスは違う。








恨みを抱いたままで消滅する場合、完全消滅するとも言われている。










それを恐れて、最後の最後で頂点に立つ者の見苦しい姿を見せた。











「死にたくない!! 助けて!! き、消える!! ぐぎゃああああああああああ!!!!!」











シュウウウ……











そのまま黒ガラスは、誰も分からぬ世界へと消えて行った……

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