霊務・ザ・ファイナル(霊務4)
『もう行かなければならない。魂を同化したので、ヤツの消滅はこの家康の消滅。運命には逆らえない』
成仏する事を告げると、眠り猫は家康の隣に付いた。
「家康様。我が輩はどこまでもお供します。御守りする為、どこまででも……」
『そうか……』
家康は眠り猫の頭をクシャリとひと撫でした。
すると、礼子が大声で訴えた。
「ヤダ! ニャンコちゃん行っちゃヤだよぉ!!」
引き留める為に、必死に抗議したのだ。
しかし……
眠り猫は振り返り、礼子のその顔をマジマジと見た。
まるでこれが見納めのように。
「ありがとニャ。礼子にメガネ。あと冷凍アイスマン。我が輩は行かなきゃいけない。それも運命なのだ……」
『……』
家康は何も言わない。
別れの挨拶の邪魔をしない為だろうか。
そうは言っても、礼子はそれでも行って欲しくなかった。
眠り猫の友達として、このまま行かせたくなかった