霊務・ザ・ファイナル(霊務4)
それでも眠り猫の意志は変わらない。
家康の命を受け、護る事を400年も誓ったのだから。
でも……
意志は揺らいでいるのは事実。
その400年とたった数日の付き合い。
どう考えても軍配が上がるのはどちらか一目瞭然だが、その数日が眠り猫にとったらとても大切なのだから。
「すまないニャ……お前に会えてずっと一緒にいたいが、お別れニャ。本当にありがとう」
すると家康の体は浮き始め、寄り添っていた隣の眠り猫も同じく浮遊した。
『時間だ……では民の者達。お前の時代は、お前達で作り上げるがいい』
そう言い残して、グングンと天に昇って行く。
眠り猫と共に顔を空高く見上げ、真っ直ぐと……
そして、遂には体を金色に輝かせながら、景色に溶け込んでいった。
カッ!!!!!
眩い光と共に、家康と眠り猫の姿は、日光東照宮の空に消えていった……