霊務・ザ・ファイナル(霊務4)

行ってしまった……









朝日が完全に昇り、東照宮は誰もいない静かな朝を迎えた。










礼子はオッサンの所をポカスカ殴った。











「うわ~~~~ん! あの子がいい! また同じ様なのが飼いたいよ~~エーン!!」











オッサンは厳しく叱る。











「いけません!! 今お山に捨てたばかりでしょう? ペットの世話もしないからこうなるんです!」











「ヤダヤダヤダヤダ!! 買って買って~~!!」











「ピアノのお稽古もサボってこの子は! ウチにはそんな余裕ないんですからね!」










何のやりとりだよ……









珍しくオッサンも乗ってあげたが、サキだけはやれやれと呆れてながらも懐かしむような感じで見てる。










ひゅ~~~~……











「ブギャ!!」











空から突然、何かが落ちてきた。










「ん?」










駄々をこねていた礼子と躾をするオッサンは、何かと一時言い争いをストップして振り向く。









土埃から、衝撃で痛めた腰をさすりながら姿を現した。











「ん……おお。また会ったニャ」











眠り猫だ。


せっかく感動的な別れをしたのに、忘れ物でもしたのだろうか?

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