霊務・ザ・ファイナル(霊務4)
それでも礼子は負けを認めていない。
「ぶぅ~~~負けてないもん。ちょっと体調が不良だったんだよ、きっと」
……
ああそうと一言呟いて、また昼間の混む道路を2人でボケッと眺めている。
今日も平和だ……
そんな平和な人間界を、礼子は脅かそうとした。
「えいっ」
遠くからトラックの運ちゃんに金縛りをかける。
……が、距離がある為かからない。
「おかしいなぁ~~昔ならかかったのに……」
いや、むしろかからなくていい。
運転中に動けなくなったら大惨事になる。
何を試してるんだこの子は。
そう思いながらも、オッサンは軽く笑った。
「ハハハ。君の力は昔より劣っているんだよ。いくら階級10にすぐなれても、霊力はもともと決まってるものだから、それが君の限度さ」
そう言って、チラッと礼子を見ると……