霊務・ザ・ファイナル(霊務4)
23分後、オッサンは礼子の金縛りから解き放たれた。
「てゆーか長いよ!! そんなに痛めつけるな! ぎっくり腰になっちゃうじゃないか!」
「まあまあ。それより本当にないの?」
それはそうだ。
里子が女王様になってから、悪い事を考える新人霊を取り締まるようになったから、今は平和そのものに溢れてる。
この事は、23分苦しめられてる間にも説明はしたが……
イジメるのを楽しんで、聞いていなかったようだ。
「本当にないよ。07の脅威もなくなったし」
あの時居れば、このムチャクチャな力で解決出来ただろうに……
すると、礼子はアイデアを閃かせオッサンに今後の自分の道を話す。
「じゃあ、アタシ霊界探偵やる! 死んでも困った霊を助ける!」
礼子が勝手に作った霊界探偵。
そんなものは実際にはないし、無意味なもの。
オッサンは猛抗議だ。
「そんなの意味ないさ。霊になったものは悩みはない……平和なここには君の出番はないよ」
「そうは言っても『今は』平和なだけでしょ? いくら新人霊を取り締まっても、元々悪事を企んでた古い霊は何するか分からないでしょ?」
確かに一理あるが……
07の親方はたまたまだが、本当に霊になると悪事をする考えは不思議となくなるのだ。
それは痛みや悲しみなどの、人間特有の負のオーラから解放されるから気持ちが穏やかになるからである