霊務・ザ・ファイナル(霊務4)
オッサンのツッコミが、キレよく部屋に響いたが、本当に何も分かってない素振りを彼女は見せている。
「ちょ、ちょっといいですか。この子の死因を見せてください」
大男から、死んだ者のデータを借りると、彼女はクスクスと笑った。
「プクク~! 子鬼が閻魔様の本を取り上げてる~! 後で怒られるぞ~」
「私は子鬼じゃない! それにこの人は閻魔様じゃないって、前に何回も説明したじゃないか!
やっぱり同じだ!」
ツッコミつつも、急いでパラパラと本をめくり、彼女のページを探す。
それにしても……『閻魔様』と言うキーワードが出ると言う事は、自分が死んでいる事は理解している?
何故?
さっきオッサンが言いかけた、あんな一言で分かるものだろうか?
理解力高いにしても、おかしい。
やっぱり記憶があって、ただ単にからかっているだけか?
分からないが、言ってる事が事実か彼女のページを探し出すと……
「あった!」
そこには、確かに彼女のデータが書かれていた。
【加納礼子・18歳・死因焼死】
確かに名字が若干違うが、同じカノウレイコ。
コイツ、なめとるな。
しかし……死因が気になる所である。
焼死とは?