霊務・ザ・ファイナル(霊務4)
平然としている礼子を見て、自分の一番の能力を振り絞った霊は愕然とする。
「なにぃ!!? これでも駄目なのか!?」
とっておきも破られ、霊は地面にひざまずいた。
余程ショックだったか、頭を俯いて何も言わない。
自分の技の電気ショックよりショックを受けているようだ。
「ほーら捕まえた。もう逃がさないよ。おいたする悪い子ね」
ガッ…
再び霊の首根っこを掴んだ瞬間、礼子に帯電していた電気が全て相手に流れ込んだ。
バリバリバリバリ!!!
「ウギャーーーーー!!!!」
本日ニ度目の苦痛に紛れた叫び声。
電気を惜しみなく全て流された霊は、そのまま前のめりに倒れ込み、気体となって蒸発してしまった……
跡形もなくなり、礼子はワケも分からずボーっとする。
「……ほえ? 消えちゃった……」
可哀想に……
自業自得とは言え、自分の技で完全消滅した霊。
霊界では、イジメ程度の特に悪いことしなければ完全消滅させる事はタブーだが、今相手は礼子を本気で殺しに来た。
それを返したのは、形的には正当防衛と言える。
運がいい……
そうならなければ礼子を犯罪者に仕立てて、とっとと生き返らせるのに……