霊務・ザ・ファイナル(霊務4)
「嘘……あの霊が……」
礼子の力に驚きを隠せない香奈。
彼女の思考回路を遥かに凌いだ結果が、目の前に起きている。
そこへ、オッサンが優しくポンと肩を叩いた。
「ね? 言った通りでしょ? あの子は我々100人分くらいの力があるんだから」
すると、それを見た礼子が遠くからタタタと走り寄り、拳を高く振り上げた。
「くおら~~~!!! 何セクハラしてんのよ―――!!!」
バギ!!
何を思ってか、礼子の怒りのパンチがオッサンのアゴに直撃!
「ぐほぅ!!!」
霊力入りの打撃は痛い。
早速お祭り霊が使っていた力の応用を、こなしやがった。
オッサンは体勢を整えて、涙目で訴える。
「痛いじゃないか――! セクハラじゃないよ! んもぅ!
全く君はまた霊を無駄に消滅させて……あのネクロやゴーゴンやファイヤの時みたいに、いつの間に倒しちゃうんだから」
「ほえ……? 誰それ?」
誰それって……
あの人達も可哀想に。
記憶がないとかではなく、単に礼子は忘れているだけ。
今の話は、昔礼子が倒した被害者A・B・Cのお三方だ