霊務・ザ・ファイナル(霊務4)
とにかく彼女を連れて行けば、無敵に違いない。
霊力が強いだけじゃなく、異常な運も持ち合わせているのだから。
彼女を上回る霊なんて、いるのだろうか……
オッサンはボーっとしていると、礼子と香奈はいつの間にか帰り道に向かっていた。
ここにはもう用がないし、慌てて後を追い掛ける。
「コラッ置いてくな!」
殴っといて放置プレイかよ……
礼子は振り向き、仕方なく待っている。
「遅いわよオッサン……いつまでも病院眺めてないでよ。頻尿症状でも出た? それより早くカナブン送ってってよ」
「送ってって? 君は……?」
すると礼子は遠くに指を示して、真顔で答えた。
「大事な用を思い出したの。せっかく霊になったんだから少し自由にさせてよ」
まあ一応人助けはしたし、任務は概ね完了。
合わせて朝日も昇り掛け、霊務をする時間帯でもない。
オッサンは、許しを出すことにした。
「あんまり好き勝手にやらないようにね」
「は~~い。じゃあ後任せたわよん」
そう言い残し、皆は別々の道を歩み出した