霊務・ザ・ファイナル(霊務4)

「ゲッゲッゲッゲ……なかなか1人にならなかったから近付くのに骨が折れたが、まあいい。霊の世界へようこそ」









手を差し伸べる霊は、右手に異様な空気を醸し出し握手を求める。










でも礼子はそんなもの気にしなかった。











「よく分かんないけどヨロシク! ナイストゥミーチュー!」











ブンブンと勢いよく握手したまま手を振るが、相手は依然表情を変えずに俯いたままだ。











暗い容姿だが、目だけが不気味に輝いている。









そんな目を男は見開かせ、反対に礼子の目をジッと見つめてきた。











「何? なんかついてる?」











礼子が己の顔をペタペタ触ると、男は再び笑い出した。











「ゲッゲッゲッゲ。霊力は強いし、目に微かな光が宿っているが、同時に邪念も持ち合わせてる。申し分ないが、お前は違う。ハズれだ。ゲッゲッゲッゲ」










そう言うだけ言って、背を向けて立ち去って行く。










んまあ……何よ、よく分からないけど失礼しちゃう!











後ろから衝撃波でもブチかましたかったけど、チラリと見えた枯れたような頬が老人のようだったので、止めてあげた。










お年寄りは労らなくちゃね!

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