霊務・ザ・ファイナル(霊務4)

そのオジサンは、頭をボリボリとかきながら答えた。









「はあ……私は担当者の霊でして、新人の霊の育成で手が離せないのですよ。とにかく忙しくて忙しくて、見に行きたくとも行けない状況にあります」









担当者ってのは忙しい?







ウフ。









それを聞くと礼子は嬉しそうにオジサンに近付き、肩を組んで内緒話を始めた。










「ねえアンタ……担当者ってのは本来そんな忙しいもんなの? 暇持て余して道端で座ってるオッサンとかいないの?」










何のことかと思いつつも、真面目に答えてくれる。











「え……? まあ、普通は忙しいもんですよ。そんな暇な担当者はいないと思いますよ」










プクク。

なら後ろに居るウチのオッサンは……










更に礼子は質問責めをする。










「じゃあさ、じゃあさ、そんな担当者はカスだと思う?」










「え? は? カス? 分かりませんよ、それは」











「いいから答えなさいよ。じゃないと依頼受けないわよ。どちらかと言えばでいいからさ。カスかカスじゃないか」











「んじゃあ……カ…ス」











その一言を聞くと、礼子は大爆笑。










「キャハハ! 気に入った!! いいわ、依頼を受けたるわ。今の笑いは10万霊円と同じ価値はあるし~!」










話が聞こえなくとも、だいたい察しがついたオッサンは頭に怒りの青筋を浮かべ『オイ……』と後ろで言っていた

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