霊務・ザ・ファイナル(霊務4)
「まあ援軍もこうして来てくれたし、多分家康様も無事だろうからニャ」
勝手に援軍扱いされた……
「多分無事って、誰もここを通らなかったのでしょう?」
「いや、我が輩眠り猫でな。眠るのが癖で時たま本当に寝てしまうのだよ。グウ……」
そう言って、話したまま眠ってしまった。
向こうには、話に飽きた礼子が蝶々を追いかけている。
「まともな戦力いねーー!!」
オッサンの叫びは、大きく境内を響き渡った……
…………
この話を受けてから数日。
三人で同じ場所で警備をし、いよいよ明日徳川400年祭が開かれる前日まで迫った。
眠り猫から聞かされたのは、徳川家康が100年ごと眠りから数時間だけ目覚める話。
そのたった少しの時間が、一番警護をしなければならない重要な時間帯である