霊務・ザ・ファイナル(霊務4)
「しかし、噂は本当でしたな。家康公が目覚める話。霊の世界でも不思議な話はあるもんですなぁ」
「そうだニャ。我が輩以外の武家霊は一匹も居なくなってるし……きっと寝てる間にみんな始末されたな」
気楽過ぎる……
相方の礼子も、アリをつまんで蟻地獄に落として遊んでるし。
とにかく、今指揮するまともな人間は自分1人だと思い、オッサンは立ち上がった。
「どうした? メガネ?」
メガネってのは、礼子が勝手に教えたオッサンの名前。
ちゃんと田中って名前もあるが、下手に馬鹿とかカスとか教えられても面倒くさい。
だから、これで落ち着いた。
「いや……周りに準備している人間の様子を見にね」
今回の騒動のヒントでも掴めればと、何もしないよりマシなオッサン。
相変わらずクソ真面目だ。
それをお茶を飲みながら、のほほんと眺める2人。
「よくやるわね~」
「そうだニャ~。
ゴロゴロ~」
縁側が似合いそうな2人。
何て幸せそうに和むんだろうか
……ってかシッカリ警備しようよ