霊務・ザ・ファイナル(霊務4)
「ねんねん。ところでさぁ、お父さんお母さん来なかった?」
「礼子君の両親かい? って事は親御さんも火事に巻き込まれたのかい?」
「うん★ウェルダンでアタシと一緒に真っ黒焦げ!」
…………
コイツは本当に、感情ある血の通った人間か?
「礼子君……何ちゅー言い方を。いくらなんでも両親悲しむよ? 言葉選ぼーよ」
そう言うと、礼子は小馬鹿にするようにため息をついた。
「じゃあ、ここで泣けばいい話? 結局オッサンが『元気だせよ』って慰めるオチでしょ? なら最初から泣かなければ同じ事だよ。泣いても生き返るワケじゃないんだし、それなら前向きに行動するってもんでしょ」
う……
以前よりも、更に論理くさくなっている……
しかも、どんだけポジティブだろうか……?
コイツの心の強さは半端じゃないと、オッサンは改めて痛感した。
「しかし、可哀想な礼子君。生まれ変わって、また若くして早々に死んじゃうんだもんな……今度はちゃんとした理由で」
礼子の過去の死因。
一度目に霊界に来た時には、ネギともずくの食べ過ぎで幽体離脱で……
二度目は同じく幽体離脱関係だが、離脱し過ぎたら本当にご臨終して……
そして、三度目は家の火事で死亡。
3分の2で自己責任だ