霊務・ザ・ファイナル(霊務4)
家康は人間達の賑わう式典を、上からボーっと眺めている。
それを見ているオッサン達。
「オイ……眠り猫君……アレは何をしてるんだね?」
「いや、家康様はただああしておられるだけニャ。毎回毎回」
無意味に呆然と佇む。
それをするだけで、100年に一度蘇ると言うのか?
何て悲しい霊なんだろうか。
ん……?
一瞬屋根がチカッと光った!
と思ったら、家康公の近くから白い爆風と共に煙幕が上がった。
「敵襲か!! 行くぞ!!」
「あ! 待つニャ!」
オッサンは急いで屋根伝いに飛び移り、家康公の近くまで走る。
後ろから眠り猫も、何故か呼び止めようと必死になって追ってくる。
バッ……!
そして、大きな本殿の屋根まで着くと、目の前には無事であった家康本人が立っていた。
「逃げて下さい徳川家康さん!! アナタは誰かに狙われています!!」
そう言うと、ようやく追い付いた眠り猫はオッサンを引っ張った。
「馬鹿!! 家康様に話し掛けるニャ!! この方は……」
そう言い終わる前に、家康公はジロリと視線を向けた