霊務・ザ・ファイナル(霊務4)
しかし、妙だ。
あの時上がった煙は、敵の能力か……?
にしては人為的な能力であるとオッサンは考えていると、眠り猫は急に声を上げた。
「ニャ!? 家康様!」
見ると家康公のその体はみるみるうちにやせ細り、ふくよかな体格は影を無くしていった。
その変貌の一連は、何かに吸われているような印象を受けて取れる。
一体これは……?
「眠り猫君!! 後ろに誰か居るぞ!」
ドシャリ……
家康公は無表情のまま倒れると、後ろに光る玉を手にした霊が笑みを浮かべている。
「ついに……ついに手に入れた。徳川の力」
何だ?
目の前の霊の風貌は?
全身を黒塗りで、顔の表情もよく見えない出で立ち。
非常に気味が悪い