霊務・ザ・ファイナル(霊務4)
「この能力には手をやいてうまく近付けなかったが……こうもうまくいくとはな」
すると怒りを見せた眠り猫は、素早く敵の懐に飛び込んだ。
「家康様の魂! 返せニャ!」
それを簡単にふわりと避ける。
「おっと眠り猫か……お前もご苦労だった。400年もの間こんな老兵を護ってな」
その霊は体から黒い何かを出すと、光の玉を手渡した。
「あれは……カラス?」
オッサンがそう言うが、もちろん本物でも動物霊でもない。
霊力を具現化した、能力の一端に過ぎない。
そのままくわえて羽ばたくと、カラスは天高く舞い上がって雲の中に隠れてしまった。
「あれは大事な物だ。こちらで保管させてもらうよ」
しまった! 先手を打たれた!
こうなったら、本体をここで叩きのめすしかない