霊務・ザ・ファイナル(霊務4)
「お前……覚悟するニャ!!」
爪を出しながら飛び出し、本格的に眠り猫の攻撃が始まった。
それをギリギリではあるが、敵は身をこなして避けている。
「クソ! すばしっこいニャ!」
そう攻撃を続けるが、離れたとこから見ているオッサンは妙な違和感を感じていた。
(何だ……眠り猫君。何故本気を出さない?)
礼子と対決していた時、こんなレベルの比のスピードじゃなかった。
そう言えば、さっきから礼子は……?
ふと屋根より下を眺めると、礼子は人間達に交じって焼き鳥食っとるのが見えた。
「おっちゃん、もう一本ね!」
あんのアマ。
と言うか、どうやって人間と会話して霊体で食ってるんだよ。
当てにならないのは元々分かっていたから、そんなのは無視して改めて眠り猫を見てみる。
やはり遅い……
今はオッサンでさえ、目で追える程だ