霊務・ザ・ファイナル(霊務4)
当たらない攻撃に対し、ただガムシャラに突っ込むワケじゃない眠り猫は、一時体勢を立て直す為オッサンの隣まで下がった。
「オイ、メガネ。何かいい案はないか?」
そう言われても、相手は高位の霊。
眠り猫が勝てなきゃ、オッサンはどうこうできるハズはない。
しかし、改まってよく見ると相手のレベルは8。
今まで出会って来た強敵に比べるといささか劣るので、隙を見ての捕獲を決めた。
「少し時間を稼ごう。そうすれば……ここは任せてくれたまえ」
その為には、まずは情報を得る事に行動を移した。
「徳川の魂を狙うアナタは何者? 目的は何ですか?」
すると、その霊は真剣に考え始めた。
「目的? そうだな……徳川埋蔵金の事とかかだな。何者? そうだな……特に名乗るつもりもなかったが……」
霊は、神社から羽ばたくカラスをチラッと見ながら答えた。
「黒ガラスだ。そうだな。名前は黒ガラスだ」
ふざけているのか?
本名を名乗らないつもりか?
どちらにしろ、明らかに今思い付いたような名前だ。
「徳川埋蔵金? 家康公の魂からその情報を引き出すつもりですか?」
「そうだな……そんなとこだ」
口癖か?
それとも適当に言ってるだけか?
やたらと、そうだなと言う輩だ