霊務・ザ・ファイナル(霊務4)
人間!?
それが何故、姿を見せる能力を発動していない自分達が捉えられる?
冗談も程々にと誰かが言いかけた瞬間、ソイツは舌を出しながら札を両手に構えた。
「ご名答~~~♪」
シュ!!
そう言いながら投げつけた札が霊達に付着すると、体中が溶けるように苦しんだ。
「グギャ――――!!!」
そうか、さっきの飛行物は札か!?
しかし、何故人間が?
それを黒ガラスが、進んで説明してくれた。
「あの人間は私の仲間だ。生まれついての霊感体の特異体質でね……霊が見れるんだと。これで分かっただろう? 協力する事で徳川の財宝はアイツに、徳川の力は私がもらうと言う算段だ」
何とか札を避けたオッサンは、そこで初めて理解出来た。
「そうか……それであの煙幕も……通りで人為的であったワケだ」
人間相手なら、ここに来るまでの増援達も気付くまい。
霊だけ注意して、見ていたのだから。
この東照宮でお祭り騒ぎしているアホ面下げた人間など、微塵も気にしていなかった