霊務・ザ・ファイナル(霊務4)
「もう一つ教えてやろう」
その人間は、得意げに披露してきた。
「この東照宮の至る所に札を貼った。その一番厄介な護り獣の動きを制限する為にな」
!!
護り獣とは、眠り猫の事であろう。
動きを制限したって……
それで眠り猫のスピードが、あんなに落ちていたのか。
「しかも……」
人間はクククと笑いをこらえている。
「アンタ達がのんびり座ってるその横で、堂々と札を貼らせてもらったよ!! その節は足をどけてくれてありがとな! ア~~ッハッハ!!」
そんな事、あったような……ないような……
ここまで完璧な作戦だったとは、少々迂闊だった。
「そうだな……用も済んだし、そろそろ退散させてもらうよ」
「俺もな!!」
黒ガラスは姿を消し、人間は木を下って逃げてしまう。
「あ! あ!」
どうすればいいか残った霊達がオタオタしていると、オッサンはすぐさま叫んだ。
「君達は人間を捕まえてくれ! 私達はヤツを追う! 行こう眠り猫君!」
「おう! 任せろニャ!」
こうして2人して、黒ガラス追跡が始まった!