霊務・ザ・ファイナル(霊務4)
ブワっと体が光ると、次の瞬間その姿はパッと消えてしまった。
「なっ!」
霊にも見えなくなる霊体……これは……
オッサンの助言が飛び交う。
「透明の特殊能力だ! 眠り猫君、それも罠だ! ヤツは戦う気なんてない! そのまま逃げるつもりだ!!」
ただ体を消すだけの特殊能力。
戦闘にしたら大した事はないが、守りに徹すると強い。
そのまま逃げれば、いい話なのだから。
そう忠告すると、眠り猫は『シッ』とオッサンに静かにするよう答えた。
「…………」
何かあるのかと、そのまま黙って見守る。
眠り猫の耳が、ピクピク動く……
鼻もヒクヒクとさせる。
すると……
「そこニャ!!」
シャ!っと爪を立て、何もない空間に腕を振り下ろした。
ズバッ!!!
そこから突然赤い液体が飛び出し、辺りに滴り落ちた。
「グフゥ!!」
ス――っと黒ガラスは空間から姿を現し、傷口を抑えている。
眠り猫の動物的勘で見事攻撃が当たり、ダメージの為、特殊能力が解けたようだ