call me

ユカリ

<♪♪♪>
携帯の着信音がなった。
知らない番号からだ。
苦い経験もあり、知らない番号はでない俺だが、夏休み半ば、暇をもて余していたこともあり友達かもしれないという期待を込め電話に出た。
女の人だった。


<○○君ですか？>


<いや…、違いますけど。>


<あ…、ごめんなさい。間違えました。>




間違い電話かよ…。がっかりして電話を切ろうとしたその時、





<あの！よかったら少しお話ししませんか？>





少し変に思ったが彼女のいない俺には久しぶりに女の人と話せる嬉しい出来事だった。
相手の名前はユカリ。
偶然にも年は同じということもあり、話は弾み、時間も忘れていた。

住んでいる場所も近いし、声の雰囲気で優しい感じがすごく伝わる。





じゃぁ…そろそろ切るね。相手してくれてありがと。また電話してもいい？


もちろん！




俺たちは明日も電話する約束をして電話切った。
切った後も耳に残っている彼女の声。
どんな人なのか考え、一人はしゃいだ。
誰かに見られたら恥ずかしいくらいに。

奇妙な出逢い方をしたその日から会ったこともない優しい声の彼女に少しずつ惹かれていった。