傾く天秤
彼氏
あの出来事から2ヶ月が過ぎた。
そして、私にも新しい彼氏が出来ていた。
彼も、委員の一人だ。
「ねぇ、終わったらどっか行こっか。」
「いいよ、オレも誘おうと思ってたし。」
チャイムが鳴って教室を出ようとした時、視界の中に君が居た。
チラって見てみると、もの凄い怖い顔をして
私じゃなく、私の彼氏を睨みつけていた。
私はそれを話のネタにしようと思って
学校を出てから言ってみた。
「さっき睨まれてたよ〜」
きっと彼なら、「怖いなぁ」って、笑って言うだけだと思ったから。
でも違った。
「はぁ、ウザイ、誰そいつ。」
違う。付き合い始めた頃は、こんな口調じゃなかった。
もっと、優しい感じだったのに。
怖い。
この気持ちだけになっていた。
「…なぁ、聞いてる?誰なのそいつ。」
「…えっ、あー、私も名前知らないや。」
「なんだよ、じゃあわかったらまた教えて。」
「…うん。」
どうしよう、あんまり一緒に居たくない。
その日から私は、彼氏の着信を拒否にした。
…彼氏なのに。