傾く天秤
君が私に変わった告白をした。
私は笑った。
「何の冗談!あはは!びっくりした!」
心の中では、こんなさむい告白初めてって思った。
「冗談じゃない。聞いて?俺と付き合って。」
告白の返事の仕方がわからないから、
「はい。」と答えた。
違う花に、ついにとまってしまった。
そこから君との日々が始まった。
高校の登下校は一緒、
教室でも一緒。
私の周りに友達が居なくなって、
君が言う。
「俺がいるから大丈夫。楽しくなる。」
ただ信じた。
友達が居なくても君がいるからって。
ほんとは怖かったんだ。
違う君が見たくなくて。
付き合ってから、君が私に付き合う前の話をした。
「食べ掛けのアイスを食べた時、間接キスでドキドキした。」
「掴んだ手を離されてショックだった。」
「友達の事なんか好きじゃないのに聞かれて、もどかしかった。」
「お前がいるから、嫌な委員会にも入った。」
「2人でカラオケなんて、完全に脈アリだと思って浮かれてた自分が恥ずかしい。」
「ずっと前から好きだった。」
君が話していくうちに、
私も君を気になっていったんだ。