俺様BOYと危険な恋
「どうであれこれはいい機会だ。わたしもこの学校の先生たちもみんな君の才能を高く評価してる。あっちでも十分やっていける」
「か、考える時間を下さい」
「分かりました。でも、時間は多くありませんから」
「はい。失礼します」
あたしがパリに行くってことは悠稀とは遠距離になるってことだよね。
遠距離はいやだよ。
信じてないわけじゃない。
むしろ、信じきってる。
だけど、距離が離れたら気持ちまで離れてしまいそうで怖い。
悠稀がこのことを知ったらきっと応援してくれる。
でも、あたしはあなたに行かないでと言って欲しい。
その後は講義にもバイトにも身が入らなかった。
家に帰ってきてもやる気が出ない。
ご飯を食べる気にもならない。
だから、悠稀の分のご飯だけ作って寝た。
難しいことは明日考えよう。