俺様BOYと危険な恋
「この声って……東雲さんじゃない」
「彼女しかいないよね」
東雲さんっていうのはあたしの前の席のお嬢様みたいな子。
出来ればこっちに来て欲しくない。
あの人、あたしに聞こえるように嫌みを言うんだよな。
「あら、西野さんもここでお昼かしら。実はあたくしもここで食べる予定なんですわ」
そんな事別に言わなくても良くない!?
「そこどいてくださる」
「アンタ何言ってるのよ!?あたしたちがここで食べてるのが見えないわけ!?」
「だってここ以外にベンチはなくってよ」
「草の上に座ったら??」
「嫌よ。お尻が汚れてしまうもの」
ホント、お嬢様育ちなんだから。
「戻ろう、えれな」
あたしは立ち上がりえれなの返事も聞かず歩き出した。
「えっ!!ちょ、優希!!待ってよ!!」
えれながあたしに追いついて文句を言う。
「ごめんごめん」
「東雲さんは確かに厄介だけどさ、何か負けた気分で嫌だ」