俺様BOYと危険な恋
……そうですね。
ケイトのガトーショコラ目当ての人が遠慮気味に隣にいた。
「ごめんね」
小さくなりながらテーブルに移動した。
「悠稀さんは??」
「なんか用があるって言って帰った。仕事じゃない」
家に帰っても1人か。
でも、今は1人でじっくり考えたいからちょうどいい。
「あたし帰るね」
「うん。バイバイ。見送り行くから」
グリーンさんにもあいさつしてこの場をあとにした。
帰り道。
あと少しのパリの地を1人でゆっくりと観光した。
この町には笑顔が溢れてる。
道行く人はみんな笑顔だ。
そんな優しいこの町が大好きだ。
帰りたくない。
日本行きを決めたのにそんなことを考えてしまう。
プルルルルル―――
「俺だけど。今どこにいる??」
「あと15分くらいで帰るから」
「迎えに行く」
「ううん。1人になりたい」
「あぁ。分かった」