俺様BOYと危険な恋

壇上に上がったら女子のキャーって声と男子の尊敬の眼差しが一気に向けられた。



騒がれるのは普通に嬉しい。



俺に逢えたことにキャーキャー言ってくれるんだったらすげー嬉しいしありがたい。



ファンは大事にしろって社長に何回も言われた。



俺が彼女を作らない理由はスキャンダルにならないためとファンを悲しませたくないからだ。



俺が書いてもない祝辞を真剣に聞いてくれてる姿見たら自分で書くんだったって後悔する。



だから、校長。
ちょっとくらいのファンサービスに目瞑ってくれよ。



「そういえば、俺と同じ名前の奴いるんだって?誰?」



俺は西野優希“くん”を探してんだよ。



せっかく俺様直々に呼んでやってんのに無視とかマジない。



短気な俺は顔も知らないソイツに脅しをかける。



そしたら1人の女が遠慮気味に立ち上がった。



「……あのー、…………あたしです。西野優希」



その女は自分を西野“ゆき”と言った。



もしかして漢字だけ同じなだけか!?



優しいって書いて『ゆ』と読むのはびっくりだ。



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