今、この場所で。
誰もいない。
「アキ?」
聞こえるか分からない声で俺はボソッとつぶやいた。


なぜか急に胸騒ぎがした。誰もいないバス停で俺は周りを見渡した。
まるで世界に俺一人しかいない気がして…。
その孤独感が俺を不安にさせた。


俺のつま先は学校の方向へと向いていた。
だんだん足速になった俺は何も考えずに走った。


運動があんまり好きじゃない俺は無我夢中に学校へ走った。
いつの間にか俺が乗るはずだったバスが俺を追い越す。
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