今、この場所で。
携帯電話をポケットに直した俺は後ろを振り向いた。


あんたはとても悲しそうな顔をしていたね。



あの頃の俺は最低だったよ。知ってたんだ……。
アキがずっと俺を見てた事なんて…。



ただアキを受け入れるのが怖くて逃げてたんだ。



そして、俺は来た道を戻った。
アキとすれ違うときあんたは何か言いかけようとしていた。



でも俺は気付かないフリをして恭平の所へ向かったんだ。


雨音のせいにしてアキの声を聞こうとしなかった。
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