今、この場所で。
アキ……。





「変な顔!」とクスクスと肩を揺らしながら
笑う女の子。


セーラー服の中から透けている下着が俺をちょっとだけドキドキとさせる。


永井アキ。17歳。
俺と同じ学校に通う幼なじみ。
お互い一人っ子なので本当の兄妹のように昔は一緒によく遊んだ。


今はただのクラスメート。特に高校生になってからは俺はアキのことをアキとは呼ばなくなった。


深い意味はない。
高校生になってからも昔のように手を繋いで一緒に帰る年でもない。正直俺は他の……アキ以外の女の子にも興味があった。


それがいつのまにか、アキの心を傷つけていたなんて俺はあの日まで知らなかった。
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