今、この場所で。
目の前にあるジャングルジムがとても小さく見えた。
アキがジャングルジムの前に立つと小さくなったのではなく俺達が大きくなったんだと気付いた。

あの頃には戻れないと教えられているようだった。



アキはクルっと回り、こちらを向き俺に微笑んだ。



「私もね、神様にお願いしたの。もう一度だけヒロに会いたいって。」



「…アキ。」



「……私、ヒロにどうしても言いたくて……。だから会いに来たの。」



俺の涙腺が切れそうになる。このまま泣いたら楽になるのだろうか。
けど、俺は必死にこらえた。
アキは優しい子だから俺が泣いてしまったら、きっと自分を責める。
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