今、この場所で。
「ヒロ?」
顔を覆っていた手にアキが優しく握ってくれた。
とても死んだ人の手とは思えない暖かい手だった。



「ヒロのせいじゃない。」



――許してくれるの?――




「あの時私が死んだのはそういう運命だったのよ。」



――残酷な運命だね。――



「あのままヒロと距離が遠くなってしまうよりこうして気持ちが通じ合えて幸せよ。」



――それでも俺はアキに生きていて欲しかった。――









< 53 / 61 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop