今、この場所で。
タバコに火を着けた恭平はフェンスにもたれ掛け、地べたにしゃがみ込んだ。


空を見上げ煙を吐き出した恭平はとてもかっこよく見えた。


「近いって何が?」


何も覚えていない恭平は俺にとって辛い質問をぶつけた。


「アキだよ。」


静まる二人の間にとても寒い風が吹き、音楽室からは吹奏楽部の演奏が聞こえてきた。
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