パイン飴と自転車
始まりは、一瞬のときめき
結城純(ゆうきじゅん)は、大学受験を終え、第一志望の大学ではなかったが、あこがれのキャンパスライフを思い描き、地方都市であるこの街にやってきたのだった。一人暮らしのマンションには、一通りの電化製品が揃い、入学式へと向かった。まだ、この時は、運命の人とめぐり逢うなど予想もしなかったのだった。

一応、難関私学と言われるだけあり、著名人のお祝いのメッセージが施設のスクリーンで流れ、何となく自分自身も有名大学の学生になったのだと、初めて感じたのだった。

隣り合わせの同じく地方から出てきたらしい男子学生も、喜びに満ちた表情を浮かべていた。話して見ると、同じ理工学部の学生だと分かったが、学科が多い為、その後は会うことはなかった。

翌日、初めての授業が始まった。
どうやら大学にもクラスたるものがあるらしく、純の学科は3クラスあり、あいうえお順に割り振られただけの適当なものだ。大学の教授とやらも、初めて見た。
高校時代に比べてかなりつまらない。魅力にかける授業内容だった。

授業の終わりに担任であるというこの教授から、夜の懇親会について話があった。
それにしても、理工系であるこのクラスには女子が少ない。たった3人である。

出会いを期待していたが、これじゃあ難しいか。





やがて、夜が来た。

何げなく、懇親会に参加してみた。
立食パーティーだ。

大好評のピザを取りに行く。










ふと、白いワンピースのかわいらしい女の子が目にとまった。

話声も柔らかく、気品が感じられる。

しかしなぜ、こんなところに?

胸が高鳴り始めた…。

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