2匹の蝶々 ーAfterー
Eight Story
君を求めて ー音 Sideー
夢みたいだ。
1人暮らしの俺の家。
1人来た筈の東京。
それなのに。
今、目の前には…
「音…」
俺の愛しい心がいる。
まだ、夢のようにしか思えない。
俺の居場所を教えたわけでもないのに、同じマンションに心は引っ越してきた。
それも、俺の部屋の隣。
あの日、あの時。
もう二度と心には会えないと思っていた。
永遠の別れを覚悟していた。
なのに…
「ねぇ、音ってば…」
「…」
「…音っ」
チュッ
…え??
「…!?」
「もうっ…ちゃんと返事し…きゃっ」
俺は心が話し終わる前に冷たい床に押し倒した。
気のせいじゃ…ないよな。
心が、俺にキスをした。
< 1 / 10 >